戒名


「戒名」よく聞き、又問題となる言葉。一部の困った人の発言から戒名料問題などが登場!!
はっきり言って迷惑だった。(その人が同じ浄土宗とは・・・。なさけない(;´д`)トホホ)
戒名料とはいったい何なのか? 全国仏教会において「戒名料」という言葉を廃止し、「お布施」と統一することが決定されたので使わないようにお願いします。

戒名とは

そもそも戒名とは死後に与えられる名前ではなく、仏教に帰依するときに守らなければならない戒律がある。その戒律を守ると誓約したものに与えられる名前を「戒名」という。であるからして、仏教徒である者ならば戒名で呼ばれたって何の遜色もないわけである。 私は浄土宗の僧侶ですので、他宗派のことはわかりません。そこで浄土宗の戒名を紐といていこうと思う。

戒名の基本形

戒名の基本は『○○△△信士(女)』です。
男が「信士」で、女が「信女」です。(書かんでもわかるって?)
では、「××院○誉●●△△居士」という戒名があったとします。
『××院』を「院号」・『○誉』を「誉号」・『●●』(基本形の○○も)を「道号」・『△△』を「戒名」・『居士』を「位号」といいます。
え!?全体が戒名では?と思われるでしょうが違うのです。『△△』が「戒名」なんです。しかし、便宜上全体を「戒名」と呼んでいます。

浄土宗では「授戒」と「五重相伝」という行事があります。
「五重相伝」を受けると戒名が『○誉△△禅定門(尼)』と「誉号」が付き、基本形から変化します。
この「五重相伝」は浄土宗特有の行事で、他宗派には見られません。
『○誉△△禅定門(尼)』という戒名、見られると思いますが、中には「あの人お寺でそんなもの受けたかな?」と思われている方もいると思います。

「五重相伝」には、亡くなられた方の家族が代わりに受け、亡くなられた方に贈る「贈五重」というものがあるからなのです。
「五重相伝」は多くの僧侶の手伝いが必要であり、日数も5日を要します。そのために費用のほうも少々かかります。この金額は、その地方により異なりますが、亡くなったときにすぐに『○誉△△禅定門(尼)』という戒名をつけてもらうとその「五重相伝」にかかる費用を請求されるわけです。
もちろん「贈五重」を行うことが条件になるわけですが。

「道号」の部分は「授戒」を受けると●●が二文字増えるわけです。
「授戒」というのは文字どおり「戒を授ける」ということです。
この時「五重相伝」を受けていないと『○○●●△△信士』となるわけです。ただ、この「授戒」も「五重相伝」と同じように費用がかかります。
さらにこちらは生前中しか受けれません。また、執り行っている寺院も少ないようです。

つぎに「院号」についてですが、これはお寺に多大な貢献をなさった方にお寺のほうから感謝の気持ちをこめて贈るもので、檀信徒の方から請求するべきものではありません。
しかし中には、「おじいさんが付いていて、おばあさんが付いていないのはおかしい!」とおっしゃる方がいます。そこでお寺のほうとしては何もなされていない方に「院号」を贈ることはできないので、寄付をお願いをしてそれによりお寺に貢献された方としています。
この「院号」の部分は他に「〜軒」・「〜庵」・「〜亭」・「〜院殿」等があり、茶道や華道、または書道をされている方に付けられていることがあります。

最後に「位号」ですが、基本的には「信士(女)」です。ただし、これは15歳以上の人なのです。 ややこしいので以下に表にしてみました。

居士(こじ)
大姉(だいし)
お寺につくし、信仰心が厚く人に信頼のある人。
禅定門(ぜんじょうもん)
禅定尼(ぜんじょうに)
在家のまま仏道に入り、出家した人。
「五重相伝」を受けると付く。
信士(じんじ)
信女(しんにょ)
戒名を授かったときは最初これが付く。
童士(どうじ)
童女(どうにょ)
3歳から15歳までの人に付く。
「五重相伝」を受けると『禅』の字が前につく。
孩士・嬰児(がいじ・えいじ)
孩女・嬰女(がいにょ・えいにょ)
赤子や乳離れしていない子供に付く。
元は孩士(男)・嬰女(女)しかなかった。
水子(みずご、すいじ)早産・流産の子に付く。

以上が一応「戒名」の説名ですがわかり易く書いたつもりです。

ちなみにお葬式の時の位牌を「白木の位牌」といいます。仏壇にあるのはただの「位牌」。
すると戒名の上には変なマークが、下には「霊位」・「位」と書いてあると思いますが、
上のマークは梵字(ぼんじ)で浄土宗の場合は阿弥陀佛を表しています。
また、下の文字は置き字といって全体のバランスを取るために書かれている文字です。
これらは戒名ではないので気を付けてください。



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