焼香


お葬式や法事によばれれば、必ずと言っていいほど『焼香』がある。
みなさんはどのように『焼香』なさってますか?また回数は?
大概の方が「前の人がやったように」とやられているみたいです。
しかし、『焼香』にもきちんと意味があるんです。以下をご覧ください。

焼香の作法

香木(木片)の場合、親指・人差し指で、抹香(刻んだもの)の場合、親指・人差し指・中指で
香をつまんで手を仰向け、左手の平でこれを受けて額のあたりまでスゥーと戴いてから焼香します。
この時、指についた香をこすって落とすようなことをしてはいけません!!
この一連の動作は、ゆっくり行う(自分で遅いと思うくらい)と周りから見たときものすごくきれいに見えます。
また使われる香は大抵が抹香でしょう。

焼香の意味

以上が『焼香』の意味である。
この意味とは別に、『焼香』の回数にも意味がある。

一回焼香は、一心にそのことを思いながら焼香する。お葬式の時なら、亡くなった方の冥福を祈るのである。いわゆる亡者回向である。

二回焼香は戒(戒律)と定(定心)、いわゆる香を焚く所作(動作)によって身の行いと心のくもりをとり、
きれいになってゆきたいという願を起こさせ、仏道修行をするための状況に自分自身を持っていく。
すなわち自己の修行のために焼香をするのである。

三回焼香は貪・瞋・痴すなわち、むさぼり・いきどおり・煩悩のことである。人がもっとも毒されやすいものである。三回焼香することによって自分の身に付いたこれらを焼き尽くすために焼香をする、すなわち懺悔である。

以上の説明からわかるようにお葬式に行ったときは三回焼香をすれば懺悔になってしまいます。
一回焼香をして相手のことを一心不乱に思いながら焼香してください。
回数が多ければいいというものでは決してないのです。


以上は浄土宗での焼香の仕方です。以下に他宗の焼香の仕方も載せてみました。
参考にしてください。

他宗の焼香の仕方

浄土真宗 香をつまみ、ゆっくりと火にくべます。その時、額にいただくことはしないので注意します。焼香の回数は、本願寺派は1回、大谷派は2回となっています。又、線香は立てずに2〜3本に折って横に寝かせます。

曹洞宗 右手で香をつまみ、指を上向きにして、左手を添えて心に深く仏を念じて香炉に入れます。2回目の香は、仏を念じずに先の香を補う意味で行います。線香の場合は、三本用い、三角に広げて香炉に立てます。(しかし、葬儀では1本だけを立てます。)

真言宗、天台宗 香を額にいただき、3回焼香を行います。線香も同様に3本立てて供えます。

日蓮宗 基本的に真言宗、天台宗と同じですが、とくに決められた回数や本数はありません。


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