ジャータカ物語

はじめに

ジャータカとは漢訳すると本生経(ほんじょうきょう)といい、「生まれていた時のこと」という意味です。
つまり、お釈迦様が大昔にスメーダという青年であった時に、燃灯仏(ディーパンカラ)という仏から、「未来に仏になるであろう」と預言を受けた後の、九十一劫という期間に五百何十度と生まれ変わり修行を積んだ時の事を指します。

ですから、この物語に出てくる「菩薩」とは前世のお釈迦様を指した言葉です。たとえその姿がどんなものに変わっていようと、「菩薩は〜」とあれば、それはお釈迦様を指します。
これから書いてゆく話は、輪廻転生の考えに基づいているものであり、話によっては「今の彼は昔の誰であり、その時もこうであった」と実際には書いてあるのですが、その部分は抜かし、物語だけを書いてあります。

これらの話は「仏教説話大系」(監修:中村元・増谷文雄、著者:仏教説話大系編集委員会(代表 山田巌雄))、という本を使わせて頂いてます。

難しいと思われる漢字にはできるだけふりがなをつけるようにしています。

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